長野県農業関係試験場が育成した新品種

小麦「東山33号」     農事試験場育成

       東山33号(左)  シラネコムギ(右) うどん適性をみるための食味試験

 収穫期が6月中下旬で、耐倒伏性が強く、耐寒性に優れ、積雪地帯を除く、標高700m以下の地帯に適する品種です。
 「東山33号」の粉で作る「うどん」は、明るい白色で、もちもちしており、歯ごたえがあります。これは粉の中のもち性デンプンの含有割合が高いためで、これまでのうどんとは異なった食感が楽しめます。
 この特長を生かし、有用な転作作物として導入し、うどんを特産化しようとする動きがあります。


ぶどう「ブドウ長果1」     果樹試験場育成

ブドウ長果1

  「巨峰(四倍体品種)」と「ロザリオビアンコ(二倍体品種)」を交配し、通常では育たない三倍体の幼胚をバイテク技術により育てあげた三倍体のぶどう品種です。
 栽培面では完全無核化と果粒肥大促進のためにジベレリン処理を必要としますが、果実の品質は、「黒紫色」、「大粒」、「種なし」、「良食味」、「丸かじり(皮ごと食べられる)」というキーワードがぴったりあてはまり、多くの消費者の感性にかなうものと期待されています。


はくさい「長・野交25号」     野菜花き試験場育成

はくさい「長・野交25号」

 黄化病抵抗性キャベツとの種間交雑に由来する秋どり栽培用の耐病性F1品種です。黄化病に対して発病遅延型の耐病性をもち、根こぶ病にも抵抗性があります。また、べと病、白さび病などの病害にも強い優良品種です。
 この品種は、やや晩生で抽だいがやや早い傾向があり、寒地の早まき栽培には適しませんが、球の形状がやや縦長で、葉柄中肋の張りが小さく薄く、球内色が黄色であるため、キムチ漬けの材料としての用途が期待されています。


ケール「長・野交26号」     野菜花き試験場育成

ケール「長・野交26号」

 欧州産の食用スコッチケールとキャベツ品種YRSEの親系統であるYR−SとのF1組み合わせからできた品種です。
 葉の形態はスコッチケールとキャベツの中間で、緩やかな縮(ちぢみ)があります。低温期には葉脈部分が薄紅色になります。結球せず、葉が大きくなり次第収穫するので、収穫期間が3ヶ月程度と長く、収量も10aあたり4〜8tとれます。
 ジュース原料としては、従来のケールに比べて苦味や青臭さが少ないといった特徴があります。


キャベツ「長・野交27号」     野菜花き試験場育成

キャベツ「長・野交27号」

 高温期の結球性に優れ、寒地・寒冷地の8月に収穫できるタイプのキャベツです。雨量が多いと発生が助長される黒腐病に対して耐病性があり、萎黄病には「YRSE」と同程度の抵抗性があります。また、熟期は中生です。
 葉色は「YRSE」より濃く、「若峰」より淡い色を呈し、食味は良好です。


ぶなしめじ「長菌11号」     野菜花き試験場育成

ぶなしめじ「長菌11号」

 現在栽培されている品種「宝3号」は、食味がよいものの、培養・熟成期間が長く、傘がひらきやすくて欠けやすいといった短所をもつため、培養・熟成期間が短く、高収量で品質の高い品種の育成が望まれていました。
 「長菌11号」は、菌かきから収穫までの生育期間が「宝3号」より2〜3日長いものの、培養・熟成期間が「宝3号」より20〜30日短く、収量が15%程度多いこと、茎の接着が少なく、苦味がきわめて少ないこと等の長所を兼ね備えており、これからの品種として期待されています。


ソルガム「東山交22号」     畜産試験場育成

ソルガム「東山交22号」

 近年、ソルガムの品種改良では、高消化性遺伝子を用いた新品種の開発が進められています。畜産試験場でも平成9年に「葉月」を育成し、早生のロールベールサイレージ用として普及しつつあります。
 「東山交22号」は、「葉月」と同じ高消化性遺伝子を持ち、晩生・多収で耐倒伏性に優れるサイレージ用品種です。茎葉部の消化性とサイレージの嗜好性は「葉月」なみに優れ、晩生で穂重割合が低いことから、相対的に鳥獣害の影響も少ないと考えられます。
 そのため、ロールベールサイレージ用として普及しつつある「葉月」に加え、労働力の分散、作業体系の拡大及び鳥獣害の軽減などの点から年1回利用のサイレージ用品種として期待されます。


高能力種雄牛トリオ「勝正福」、「紋寿郎3」、「安茂桜」     畜産試験場育成

肥育基牛生産に有望な「勝正福」

 全国トップレベルの高能力黒毛和種種雄牛を紹介します。
 「勝正福」は、脂肪交雑、バラの厚さ及び枝肉歩留りの遺伝能力が特に優れており、肥育素牛生産に使います。
 「紋寿郎3」は、ロース芯面積、脂肪交雑及び枝肉重量の遺伝能力に優れており、肉量及び肉質を兼ね備えた種雄牛です。
 「安茂桜」は、脂肪交雑が特に優れており、そのばらつきも小さいので脂肪交雑の改良効果が期待されます。肥育素牛生産のほか種畜の生産にも適しています。


大豆「東山187号」     中信農業試験場育成

「ナカセンナリ」 「東山187号」 「納豆小粒」
  (普通品種)    (納豆用新品種) (納豆用既存品種)

 小粒で納豆用に開発された大豆の新品種です。6月上旬播種で10月上旬に収穫できるため、長野県下全域で栽培が可能です。県内で多発するダイズモザイク病に強く、褐斑粒といわれる障害粒の発生がありません。倒伏が少なく莢がはじけにくいので、コンバイン収穫に適し、収量も従来の小粒品種より優れています。ただし、ダイズシストセンチュウには弱いので、連作は避ける必要があります。
 「東山187号」の納豆は、従来品種と同等以上の食味です。平成13年から長野県で「東山187号」の本格的な栽培が始まり、これからは県で育成した品種である「東山187号」を原料にした小粒納豆が製造・販売できるようになります。


薬用にんじん「信蔘311号」     営農技術センター育成

左:みまき(在来種) 右:信蔘311号

 薬用にんじんの品質評価では、含まれる機能性成分とともに、根の形状と重量が重要な要素です。特に形状については、根の胴部(主根部)が長く、太いこと、全体のバランスがとれていることが望まれます。
 「信蔘(しんさん)311号」は、これらの点を改良目標に育成した品種です。従来から栽培されてきた在来種に比べ、胴部が長く、太いのが特徴で、一本重も在来種より優れています。上位等級比率の向上、収量の増加により、所得の向上が期待できます。