警察本部長

発信年月日

19.5.25
所属長

交通指導課

「刑法の一部改正に関する法律」の施行と解釈運用上の留意事項について

趣旨
  刑法の一部を改正する法律(平成19年法律第54号)が5月23日公布され、6月12日に施行されることとなったので、同法の解釈及び今後の交通事故事件捜査における運用上の留意事項について徹底を図るもの。
解釈運用上の留意事項
(1) 危険運転致死傷罪(刑法第208条の2関係)
改正の趣旨及び内容
近時、二輪車による悪質かつ危険な運転行為による死傷事故が少なからず発生しているなど、最近における交通事故の発生実態にかんがみ、危険運転致死傷罪の対象を「四輪以上の自動車」から「自動車」に改めた。
運用上の留意事項
  ここでいう「自動車」とは、原動機により、レール又は架線を用いないで走行する車両を意味するものであり、具体的には、道路交通法(昭和35年法律第105号)第2条に規定する「自動車」と「原動機付自転車」が含まれることとなる。
  したがって、これまでの「四輪以上の自動車」に加えて、「二輪又は三輪の自動車」及び「原動機付自転車」についても危険運転致死傷罪の対象となることとなるが、改正部分以外の部分については、従前の解釈に変更を加えるものではない。
(2) 自動車運転過失致死傷罪(刑法第211条第2項関係)
改正の趣旨及び内容
自動車運転による死傷事故の実情等にかんがみ、事案の実態に即した適正な科刑を実現するため、自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者について、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処することとされるとともに、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができることとされた。
運用上の留意事項
(ア) 用語の意義
 
まる1 「自動車」の意義
自動車運転過失致死傷罪における「自動車」の意義については、危険運転致死傷罪における「自動車」の意義と同じであり、道路交通法(昭和35年法律第105号)第2条に規定する「自動車」と「原動機付自転車」が含まれることとなる。
まる2 「自動車の運転上必要な注意を怠り」の意義
「自動車の運転上必要な注意を怠り」とは、自動車の運転者が、自動車の各種装置を操作して、そのコントロール下において、自動車を動かす上で必要とされる注意義務を怠ることをいう。
(イ) 自動車運転過失致死傷罪の適用上の留意点
自動車運転過失致死傷罪においては、業務上過失致死傷罪と異なり、「業務上」の要件が必要とされていないことから、当該運転行為が反復継続して行う行為に当たらない場合であっても自動車運転過失致死傷罪の対象となることとなる。
(ウ) 本罪と業務上過失致死傷罪(刑法第211条第1項)との罪数関係
本罪と業務上過失致死傷罪及び重過失致死傷罪は法条競合であり、本罪が成立する場合には業務上過失致死傷罪及び重過失致死傷罪は成立しないこととなる。
自動車の運転者の運転行為に関して、これまで業務上過失致死傷罪に該当していたものについては、今後は、自動車運転過失致死傷罪に該当することとなる。
(エ) 経過措置
刑法の一部を改正する法律の施行前にした行為の処罰については、従前の例により処理すること。

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