第2 平成20年の刑法犯の特徴的傾向
1 平成20年の刑法犯の概要
“依然として厳しい犯罪情勢”
平成20年における全国の刑法犯認知件数は、181万8023件(前年比-9万813件、-4.8%)であり、全国的に街頭犯罪等抑止総合対策を推進した結果、平成15年から6年連続の減少となった。
長野県の認知件数は、図表2に示すとおり、21,105件(前年比−317件、−1.5%)と平成9年に戦後最多(昭和21年26,596件)を更新、以後増加し、平成13年に戦後最高を記録したが、平成14年から減少に転じ、平成16年に3万件台を割って、7年連続の減少となった。
検挙率の全国平均は31.5%であるが、本県は、42.1%であり、全国平均を10.6ポイント上回っている。
認知件数は減少傾向が定着しつつあり、検挙率も40%台を回復したものの、県内の犯罪情勢は依然として厳しく、全体としては犯罪の発生に検挙が追いつかない状況が続いている。
罪種別の認知件数を前年と対比すると、図表3のとおり、凶悪犯、知能犯、その他の刑法犯がそれぞれ減少し、粗暴犯、窃盗犯、風俗犯は、ほぼ横ばい状態であった。
検挙率では、県民の生命身体に直接危害を及ぼす凶悪犯は76.6%、粗暴犯は89.9%と高い比率を示している。
窃盗犯の検挙率は40.8%であり、前年比2.8ポイントの減少となった。
 

(図表3)平成20年の罪種別認知・検挙状況

表は平成20年の罪種別認知・検挙状況
2 重要犯罪の概要
(1) 重要犯罪の認知・検挙状況
国民の不安感が大きく、生命身体に直接危害を及ぼす危険性の高い犯罪として警察が指定した重要犯罪6罪種をみると、図表4のとおり、認知件数は前年に比べて強盗、強制わいせつなどが増加し、殺人、放火、強姦の犯罪が減少した。
重要犯罪のうち強制わいせつの検挙率が35.0%(前年比+5.0P)、強姦の検挙率が61.5%(前年比−23.7P)などと低水準にあり、重要犯罪全体の検挙率は58.1%(前年比−3.0P)であった。
検挙率を全国平均(62.6%)と比較すると、本県は4.5ポイント下回っている。
 

(図表4)平成20年重要犯罪の認知・検挙状況

表は平成20年重要犯罪の認知・検挙状況
(2) 平成20年の強盗罪の特徴
強盗罪は、図表5のとおり、住宅強盗(住宅の建物に侵入)が9件(前年比+7件)、コンビニ強盗が6件(前年比+3件)と全体的に増加した。

(図表5)強盗罪の被害別認知・検挙状況

グラフは強盗罪の被害別認知・検挙状況
3 平成20年の侵入犯罪の特徴的傾向
(1) 侵入強盗の特徴的傾向
平成20年の強盗の認知件数は、前記の図表4のとおり38件であり、そのうち侵入強盗の認知は20件で強盗の52.6%を占めている。侵入強盗の検挙は16件、19人であり、その内訳は図表6のとおりである。

(図表6)侵入強盗の認知・検挙状況

表は侵入強盗の認知・検挙状況
(2) 侵入盗の特徴的傾向
認知件数
認知件数では、空き巣が549件で、前年比-188件(-25.5%)の大幅な減少であった。 図表7のとおり、空き巣が全侵入盗の約3割を占め、出店荒し、忍込み、事務所荒しを含めた上位4手口で66.6%を占めている。
減少件数の大きいものには、空き巣のほか、事務所荒し185件(-105件,-36.2%)などがあり、増加件数が大きいものは、忍込み252件(+54件,+27.3%)であった。

(図表7)侵入盗の認知件数の7手口前年比較

グラフは侵入盗の認知件数の7手口前年比較
検挙件数・検挙率
検挙件数では、図表8のとおり、空き巣が192件で前年比-182件、忍込みが151件で+84件、出店荒しが131件で-103件などで、上位4手口で、全侵入盗検挙件数の53.0%を占めている。

(図表8)侵入盗の検挙件数・検挙率の7手口前年比較

グラフは侵入盗の検挙件数・検挙率の7手口前年比較
検挙人員
検挙人員では、図表9のとおり、出店荒しが30人で+22人(+275%)の増加を示している。

(図表9)侵入盗の検挙人員の7手口前年比較

グラフは侵入盗の検挙人員の7手口前年比較
4 平成20年の窃盗犯の特徴
平成20年の全国の窃盗犯認知件数は、1,372,840件で前年比4.0%減少した。本県では図表10のとおり、認知件数は15,397件で前年比0.3%増加し、検挙件数は同6.1%減少、検挙人員は同5.5%増加、検挙率では2.8ポイント低下している。本県の窃盗犯検挙率は40.8%で全国平均の27.7%を13.1ポイント上回っている。
態様別に見ると、侵入盗の認知件数は13.8%減少し、検挙率も2.6ポイント低下している。
路上、駐車場など公共の空間における乗物盗は、自転車盗の認知が4.1%の増加、オートバイ盗が10.7%の減少となっている。
非侵入盗の認知は2.4%増加しており、中でも万引きが2,591件で+245件(+10.4%)の増加、減少件数では、車上ねらいが1,548件で-229件(-12.9%)、自動販売機ねらいが334件で-122件(-26.8%)と目立っている。

(図表10)平成20年の窃盗犯の認知・検挙状況

表は平成20年の窃盗犯の認知・検挙状況
 
イラスト イラスト
5 認知件数の増減
平成20年中は、長野県中期総合計画に掲げた抑止目標(平成24年度に刑法犯認知件数を2万件未満に抑える)に向けて
  犯罪分析に基づく個別・具体的な街頭警察活動
  効果的な犯罪情報発信活動の推進
  防犯診断に基づく管理者対策の推進
  繁華街・歓楽街を再生するための諸対策の推進
等の施策を推進した結果、全刑法犯認知件数が21,105件(前年比-317件)となり、平成14年から7年連続の減少を達成した。
(1) 減少した犯罪
減少した犯罪を罪種別にみると、図表3のとおり、知能犯の減少(-230件,-17.4%)が顕著である。
減少した犯罪を手口別等で見ると、図表11のとおり、街頭犯罪である車上ねらい、自動販売機ねらいの減少件数が大きく、また、詐欺罪の減少も顕著である。

(図表11)平成20年刑法犯認知件数の減少ベスト5

表は平成20年刑法犯認知件数の減少ベスト5
(2) 増加した犯罪
増加した犯罪を罪種別にみると、窃盗犯が微増(+43件,+0.3%)である。
増加した犯罪を手口別等で見ると、図表12のとおり、万引きが+245件(+10.4%)、自転車盗+158件(+4.1%)と増加している。
 

(図表12)平成20年刑法犯認知件数の増加ベスト5

表は平成20年刑法犯認知件数の増加ベスト5

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